日本の自動車技術240選 「モノクロサスペンション」の解説
モノクロサスペンション
製作(製造)年1974
製作者(社)ヤマハ発動機株式会社
資料の種類量産品
現状公開
型式名
通称名モノサス
会社名ヤマハ発動機㈱
実物所在コミュニケーションプラザ
搭載車名YZ250M
製作年1974
設計者ヤマハ発動機㈱
協力者
構造・方法・手段・方法等・従来のオートバイのリヤサスペンションはタイヤの両側に各1本、計2本のショックアブゾーバーが取り付けられていたものを、車体の中心のタンク下に1本を設置するという全く異質の構造とした。・ショックアブゾーバーは懸架ばね、オイルダンパー、アキュムレーターの3部分で構成されている。・アキュムレーターの中はゴム膜によりダンパーオイル室とガス室に分離し、ガス室には不活性ガスとして高圧(20気圧)の窒素ガスを封入。
機能・作用等・ダンパーオイルによる粘性緩衝と、エアクッション効果を併用。・リヤスイングアームは捩り剛性の高い三角形の立体構造として後車軸の上下運動を前後の変位に変換し、スイングアーム軸からのレバー比を従来型よりかなり大きくして、後輪のホイールトラベルを増大させた。
技術要旨・車体全体の走行中の剛性が格段に上がり、かつ後輪のホイールトラベルの増加によりオフロード走破性が飛躍的に向上した。・高性能ストリート車にも採用されコーナリング及び高速直進性が大幅に向上した。
エピソード・話題性1973年全日本モトクロス開幕戦に初めてモノクロサスペンションを搭載した工場レーサーが出場し、125cc、250cc両クラス共に1,2、3位の圧勝であった。特にモトクロスレースの見せ場\"ジャンピングスポット”では、その飛距離があまりにも大きいため、空飛ぶサスペンションとも言われた
出典 社団法人自動車技術会日本の自動車技術240選について 情報