朝日日本歴史人物事典 「モレイラ」の解説
モレイラ
生年:1538頃
ポルトガル人地理学者。東インド諸地方に20年以上滞留し,天正18(1590)年インド副王使節ヴァリニァーノに同行して来日。新発見諸国の地図作成に専念し,2年間の日本滞在中に薩摩(鹿児島県)から京都に至る地の緯度測定を行い日蝕を観測。蝦夷に関する情報を集めラテン語文「蝦夷人の島」を残す。蝦夷島の作図も行われたとされる。原図は失われたが日本図を作成した。カルディムの描いた日本図(1646)はその影響を強く受け,地図屏風(南蛮屏風のうちで地図を描いたもの)もまた長崎のイエズス会に残されたと推測される写図から影響を受けたとされる。<参考文献>岡本良知『十六世紀における日本地図の発達』
(五野井隆史)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報