ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボゴタ」の意味・わかりやすい解説
ボゴタ
Bogotá
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南アメリカ、コロンビアの首都で、同国最大の都市。同国中央部のクンディナマルカ県の県都でもある。人口627万6428(1999)、828万1030(2019推計)。コロンビア・アンデス、コルディエラ・オリエンタル山脈中の高原、サバナ・デ・ボゴタの南東隅の標高約2600メートルに位置する。年平均気温14.5℃、気温年較差1.1℃という冷涼で年変化の少ない熱帯高山気候下にある。年降水量は1059ミリメートル。
コロンビア中北部に居住していたチブチャ人の首都がここにあったが、1538年、スペイン人ゴンサロ・ヒメネス・デ・ケサダGonzalo Jiménez de Quesada(1500?―1579)によって征服され、新都市サンタフェ・デ・ボゴタが建設された。以後、南アメリカ北部のスペイン植民地の中心的都市として発展し、1717年にはヌエバ・グラナダ植民地の臨時的なスペイン副王府が、1739年には正式な副王府が置かれた。1810年に始まるスペインからの独立運動の後、1819年から1830年まで続いた大コロンビア共和国の首都でもあった。独立後、単にボゴタとよばれるようになったが、1991年7月、新憲法に基づいて市名をボゴタからサンタフェ・デ・ボゴタに改称した。ところが、長くて不便な名称との国民の声が強く、2000年ふたたび首都改称がなされ、コロンビアの首都名は、サンタフェ・デ・ボゴタからボゴタに戻った。
東方に連なるグアダルーペ山、モンセラーテ山など3000メートル級の山々の麓(ふもと)に沿い、南北に長い市街地が広がっている。都心部には近代的高層ビルが多数みられるが、ボリーバル広場を中心とした格子状の街路に多くの教会、赤瓦(かわら)屋根の家々が並び、植民地時代からの旧市街地もよく保存されている。1940年代から1950年代にかけての政情不安な時代に、内戦状態にあった国内各地方から多数の難民が首都へ流入、これを契機として市街地の無秩序な拡大が始まり、都市周辺各所にトゥグリオスとよばれるスラム街が形成された。これがこの都市の治安不良の一因ともなっている。市内のおもな観光施設としては、先住民の黄金工芸品を展示する黄金博物館、独立の父シモン・ボリーバルの邸宅、市を眼下に一望できる標高3160メートルの山上にあるモンセラーテ寺院などがある。
[松本栄次]
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