やあ(読み)ヤア

デジタル大辞泉 「やあ」の意味・読み・例文・類語

やあ

[感]
驚いたときや不意に気づいたときに発する語。「やあ、これは驚いた」
突然または偶然に出会った人に呼びかけるときに発する語。「やあ、こんにちは」
気合いをこめるときに発するかけ声。また、音曲などの囃子詞はやしことば。「えいやあ

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精選版 日本国語大辞典 「やあ」の意味・読み・例文・類語

やあ

〘感動〙
① 驚いたりあきれたりした時に発する声。
書紀(720)皇極四年六月(岩崎本訓)「子麻呂等の入鹿が威(いきほひ)に畏れて便旋(めくら)ひて進まざるを見て曰はく、咄嗟(ヤア)と曰たまふ」
※虎明本狂言・乞聟(室町末‐近世初)「『わたくしでござる』『やあそなたはなにしにおじゃった』」
② 不審に思ったりとがめたりする気持をこめて呼びかける時にいうことば。やい。
謡曲・丹後物狂(1430頃)「『異なることになにごとか能のある』『やあ喧ましこれは汝が子のことにてあるか』」
③ 横柄な態度で、応答する時にいうことば。
※虎寛本狂言・靫猿(室町末‐近世初)「『ヤイヤイ、ヤイ猿曳』『ヤア』『ヤアとはおのれ憎い奴の』」
④ 何か勢いよくしようとして発するかけ声や歌謡のはやしことば。
※虎寛本狂言・餠酒(室町末‐近世初)「栄ふる御代こそ目出たけれ。ヤア、ヱイヤ、ヤア」
⑤ 男子がごく親しい相手にいう軽い挨拶のことば。
虞美人草(1907)〈夏目漱石〉七「『やあ』と先生茶碗を娘から受取って」

やあ

〘名〙 正業につかないで、法の裏をくぐって生活の資を得るなどしている者。やくざ、てきやの類。「やあさま」「やあさん」の形で用いることが多い。
怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝一八「悪いといふ事は二三水出し、遣らずの最中野天丁半の鼻ッ張り、ヤアの賭場まで逐って来たのだ」

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