正業(読み)ショウゴウ

精選版 日本国語大辞典 「正業」の意味・読み・例文・類語

しょう‐ごうシャウゴフ【正業】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。
  2. 八正道の一つ。身(しん)・口(く)・意(い)三業(さんごう)において行ないを正すこと。
    1. [初出の実例]「初正業者、以上五種之中第四称名正定之業」(出典選択本願念仏集(1198頃))
  3. しょうじょうごう(正定業)」の略。
    1. [初出の実例]「称名則是最勝真妙正業、正業則是念仏」(出典:教行信証(1224)二)

せい‐ぎょう‥ゲフ【正業】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 正当な職業。かたぎの職業。
    1. [初出の実例]「十一月酉の日〈略〉蓋熊手〈略〉正業の家に置之事を稀とす」(出典:随筆守貞漫稿(1837‐53)二四)
    2. 「近来は改心して正業に就き」(出典:雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉上)
  3. 先王典籍。正しい系統の学問。〔礼記‐学記〕

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世界大百科事典(旧版)内の正業の言及

【仏教】より

…(4)道諦(どうたい) この,苦の滅を達成するために実践すべき正しい道で,8項ある(八正道(はつしようどう))。すなわち,(a)正しい物の見方(正見),(b)正しい心のもち方(正思),(c)正しい言葉遣い(正語),(d)正しい行動――不殺生,不偸盗などの戒を守る(正業),(e)正しい生活(正命),(f)正しい努力精進(正精進),(g)正しく教えを憶念する(正念),(h)正しい禅定の修習(正定)。 以上の四諦は苦因→苦,道の実践による苦因の滅→苦の滅という2種の互いに相反する方向の因果関係を含む。…

※「正業」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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