ヤエヤマアオキ(読み)ヤエヤマアオキ(その他表記)Morinda citrifolia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤエヤマアオキ」の意味・わかりやすい解説

ヤエヤマアオキ(八重山青木)
ヤエヤマアオキ
Morinda citrifolia

アカネ科の常緑小高木。旧大陸熱帯からオーストラリア,太平洋諸島の熱帯,亜熱帯海岸に広く分布し,日本では琉球列島小笠原諸島の一部に自生する。若枝は緑色で,大きな葉を対生し,節には緑色で半円形托葉がある。葉は長楕円形で長さ 20~30cm,全縁で光沢のある濃緑色,乾くと黒色になる。葉腋から出る花梗の先に球状の集合花序をつけ,管状の白色花が次々に咲く。集合果は長さ3~4cmの楕円体となり,初め緑色であるが熟すと白色に変る。若い集合果をスパイスとして利用する地域もあるが,植物体全体にかなり異臭がある。また,アカネと同様に根から黄色,赤橙色染料をとることもある。

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世界大百科事典(旧版)内のヤエヤマアオキの言及

【アカネ(茜)】より

… アカネ科には多くの有用植物がある。薬用としてはトコン(アメーバ赤痢の特効薬),ガンビールノキ(阿仙薬),カギカズラ(鉤を収れん剤にする),フタバムグラなどが利用され,染料としてはアカネの根,ヤエヤマアオキ,クチナシの実,チブサノキ(青・紫色染料)が,なめし皮染料や褐色染料としてはガンビールノキが使われる。またハクチョウゲ,アリドオシ,サンタンカブバルジアなどを観賞用として栽培する。…

【ハナガサノキ】より

…屋久島,種子島,琉球,さらに中国南部,東南アジアに広く分布する。 ヤエヤマアオキ属Morindaは世界の熱帯に約80種が知られ,根に黄色色素モリンジンmorindinやアントラキノン類を含み,染料として利用される。沖縄以南の海岸に分布するヤエヤマアオキM.citrifolia L.(英名Indian mulberry)は小高木となり,集合果は白く,長さ4cm,内部が空胴となり水に浮き,海流によって散布される。…

※「ヤエヤマアオキ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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