やんす(読み)ヤンス

デジタル大辞泉 「やんす」の意味・読み・例文・類語

やんす[助動]

[助動][やんせ・やんしょ|やんし|やんす|やんす|○|やんせ]動詞の連用形断定助動詞の連用形「で」に付く。
尊敬の意を表す。…なさる。
「ほほこれは皆若い衆、寒取前で精が出やんすよ」〈浄・双蝶蝶
丁寧の意を表す。…ます。
「今はかういふ顔がはやりやんす」〈洒・品川楊枝〉
[補説]もと近世前期の上方の遊女語で、後期には一般化するとともに2に限られるようになった。語源については諸説あって、「あります」「やしゃります」「あんす」などの音変化とみる説がある。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「やんす」の意味・読み・例文・類語

やんす

〘助動〙 (活用は、「やんせ(やんしょ)・やんし・やんす・やんす・◯・やんせ」)
[一] 活用語の連用形に付き、尊敬の意を表わす。上方で用いられた語。近世前期には遊女語であったが、後期には一般化している。
浮世草子・風流夢浮橋(1703)三「こんな所へきやんすは、どふしたこと」
[二] 活用語の連用形に付き、丁寧の意を表わす。上方・江戸ともに使用
※色茶屋頻卑顔(1698)「もしさけがまいりたくは、かふてきてしんじやんしょ」

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