ヤンチョー(読み)やんちょー(英語表記)Jancsó Miklós

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤンチョー」の意味・わかりやすい解説

ヤンチョー
やんちょー
Jancsó Miklós
(1921― )

ハンガリー映画監督。ブダペスト北方のバーツに生まれる。第二次世界大戦後の青年運動の活動家となるかたわら、映画芸術アカデミーに学び、短編を経て、1958年から長編映画をつくる。『密告の砦(とりで)』(1965)、『赤と白』(1966)、『シロッコ』(1969)、『赤い聖詩』(1971)などハンガリーの近代史に取材し、カメラの長回しでどこまでも対象を追い続ける独特なスタイルがとくに西欧で高く評価された。リアリズムの一手法としてこのスタイルを洗練するうち、彼の作品はしだいに野外舞踊劇のように様式化していき、『ハンガリアン・ラプソディー』『アレグロ・バルバロ』(ともに1979)というハンガリー近・現代史を横断する作品で頂点に達した。

[出口丈人]

資料 監督作品一覧

密告の砦 Szegénylegények(1965)
赤と白 Csillagosok, katonák(1966)
シロッコ Sirokkó(1969)
赤い聖詩 Még kér a nép(1971)
ハンガリアン狂詩曲 Magyar rapszódia(1979)
アレグロ・バルバロ Allegro barbaro(1979)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤンチョー」の意味・わかりやすい解説

ヤンチョー
Jancsó Miklós

[生]1921.9.27. ブダペスト近郊バーツ
ハンガリーの映画監督記録映画の監督を経て,1958年以降は劇映画を発表し,国際的にも注目されている。強国支配下のハンガリーの歴史的状況を,すぐれた様式美により描出している。主作品『狩りこみ』 Szegénylegények (1965) ,『赤と白』 Csillagosok,Katonák (67) ,『赤い聖歌』 Még Kér a nép (71) 。

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