改訂新版 世界大百科事典 「ユガティオ」の意味・わかりやすい解説
ユガティオ
jugatio
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…しかし帝政前半期については,課税対象となる住民の範囲,課税額などは,一部の属州を除いて明らかではなく,地域によってかなりの差があったものと思われる。300年ごろディオクレティアヌスが再編した課税制度(カピタティオ・ユガティオ制)のもとでのカピタティオの内容は,比較的明確に知られている。それによると,課税の単位であるカピタcapitaは,自由人,コロヌス,奴隷,さらには家畜をも含んだ。…
…かつては軍事職であった近衛軍総督という役を財務長官とし,全帝国に厳格な土地測量と人頭の申告を行わせ,土地にユガ,人頭にカピタという抽象単位を当てて課税した。これをカピタティオ‐ユガティオといい,他の産物も同じ価値基準で課税されることになり,地方により旧来の税制を残したり,二つの税体系が統合された所もあったが,収税体制はきわめて能率化した。しかしそれだけでは巨額の軍事防衛費はまかなえず,皇帝領の管理強化,さまざまな物資の取引の国家独占,国営仕事場の設置,手工業者を強制的に組合に入れて統制下に置くなどの経済統制策を進めた。…
…コンスタンティヌス1世はソリドゥス金貨の鋳造開始など部分的に貨幣を改良し,ソリドゥスそのものは国際信用を回復することができたが,国内取引とくに税としては現物を課することが原則となった。ディオクレティアヌスが始めた新税制(カピタティオ・ユガティオ制)は全帝国の農地と農民に対してさまざまな現物課税を行った。この税収を確保するために農民や小作人(コロヌス)は農地からの移動を禁じられ,徴税責任者とされた都市参事会員も世襲身分(クリアレスと呼ばれた)とされた。…
※「ユガティオ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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