改訂新版 世界大百科事典 「ユニオンラベル」の意味・わかりやすい解説
ユニオン・ラベル
union label
製品に貼付された組合のラベル。労働組合の闘争手段のひとつであるボイコット戦術のひとつ。〈組合を交渉相手として承認せよ〉〈賃金率を上げよ〉などの組合の要求を使用者が拒否した場合,当該企業の製品やサービスの不買を労働者に呼びかける運動がそれである。マス・メディアを利用したキャンペーンが行われる場合が多い。
アメリカの労働組合運動は,使用者の反組合主義が強かったこともあって,使用者に組合を承認させる手段として,ボイコット戦術を頻繁に利用した。その場合,組合を承認した企業の製品には〈この製品は〇〇組合の組合員が生産したものである〉という組合ラベルを貼付する方法がとられてきた。このラベルをユニオン・ラベルという。ユニオン・ラベルがついていない製品は,組合によってボイコットされるわけである。ユニオン・ラベル戦術は今日でも利用されている。
執筆者:萩原 進
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報