ようず

精選版 日本国語大辞典 「ようず」の意味・読み・例文・類語

ようず

〘助動〙 (活用は「〇・〇・ようず・ようず(る)・ようずれ・〇」) 「むとす」の変化した「うず」が、一段、二段活用やサ変動詞につく時に生じた語形。
話し手意志を表わす。
※大淵代抄(1630頃)二「鹿茶淡飯でも接しやふずとをせられた処を」
推量の意を表わす。
※足利本人天眼目抄(1471‐73)下「然らば歯欠け達摩にはしたたかに棒をあびせようずよ」
滑稽本浮世風呂(1809‐13)二「教(をせへ)たらちっとづつ縫物(しごと)も出来やうと思ったが、何が出来やうず」
[語誌]「む」の変化した「う」から「よう」が分化したように、中古に「むとす」から変化した「むず」が、中世以降「うず」となり、中世末に「うず」から「ようず」が分離発生した。「む」と「むず」の意味・用法には異なる面があるが、「よう」と「ようず」は接続や意味・用法などほぼ同じと見られる。当初は「ようず」の形が多いが、近世初期には急激に衰え、「よう」が優勢になる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ようず」の意味・わかりやすい解説

ようず

近畿中国四国などの地方でいわれる風の名で、主として春に吹く、なまぬるい雨もよいの南風をいう。奈良県では頭痛を催すような南寄りの暖気としてこれを表現している。「みなみけ」ともいう。

根本順吉

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