最新 地学事典 「ヨウ素129」の解説
ようそひゃくにじゅうきゅう
ヨウ素129
iodine- 129 129I
ヨウ素の放射性同位体の一つ。半減期1,570万年でβ線とγ線を放出する長寿命放射性核種。天然起源129Iは宇宙線による大気中Xe同位体の核反応と,地殻中238Uの自発核分裂によって生成され,核時代以前の海洋におけるヨウ素同位体比(129I/127I比)の平衡値が(1.50±0.15)×10−12とされている。80Maまでの堆積盆地内の流体の年代測定に利用され,海洋から隔離されてからの129I崩壊に基づき推定。放射壊変のみから算出した129I最小年代と,母岩中の238U自発核分裂由来129Iを考慮した129I補正年代がある。235Uと239Puの熱中性子核分裂によって生成される人為起源129Iは,1945年以降,主に核実験と再処理施設稼働によって環境中に放出され,海洋の129I/127I比はそれ以前と比べて1~4桁上昇した。人為起源129Iは海水循環トレーサーとして利用。
執筆者:松中 哲也
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

