自発核分裂(読み)ジハツカクブンレツ

デジタル大辞泉 「自発核分裂」の意味・読み・例文・類語

じはつ‐かくぶんれつ【自発核分裂】

中性子その他粒子衝突を受けなくても自然に生じる核分裂ウランプルトニウムなどの質量数が非常に大きい同位体に見られる。自然核分裂

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化学辞典 第2版 「自発核分裂」の解説

自発核分裂
ジハツカクブンレツ
spontaneous nuclear fission

238U は半減期8.1×1016 y,235U は半減期1.9×1017 y で中性子衝撃などによらず自発的に核分裂を起こして崩壊する.このように,みずから核分裂を起こして崩壊することを自発核分裂という.とくに注目される核種として,超プルトニウム元素中の 252Cf はみずからの核分裂により,1 cm3 当たりじつに2×1012 n s-1 の中性子を放射することから,中性子源,携帯用原子炉の製造,へき地の鉱山放射化分析がん治療の中性子ラジオグラフィーなどの医学利用の可能性を示している.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自発核分裂」の意味・わかりやすい解説

自発核分裂
じはつかくぶんれつ
spontaneous nuclear fission

外部からの粒子やγ線などの入射なしに起る核分裂原子番号 90以上の核種に起る。 1940年 G.フレーロフらがウランで初めて発見した。自発核分裂の起る確率は重い核ほど大きい。ある核種の自発核分裂の確率とα崩壊の確率との比は原子番号とともに急激に増加する。

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世界大百科事典(旧版)内の自発核分裂の言及

【核分裂】より

…中性子,陽子,α粒子,光子などで原子核を励起すると分裂しやすいが,自然に分裂する場合もある。これを自発核分裂と呼ぶ。核分裂を起こす性質をもった物質を核分裂性物質,核分裂の結果生ずる原子核を核分裂破片,二つの核分裂破片の質量差がかなり大きい核分裂を非対称核分裂という。…

※「自発核分裂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」