日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラシュレー」の意味・わかりやすい解説
ラシュレー
らしゅれー
Karl Spencer Lashley
(1890―1958)
アメリカの神経心理学者。メリーランド州デービスの生まれ。ウェスト・バージニア大学、ピッツバーグ大学を経て、1914年ジョンズ・ホプキンズ大学で動物学の研究により学位をとる。ワシントン市のセント・エリザベス病院、ミネソタ大学、シカゴ大学などを経て1935年より1955年までハーバード大学教授となり、1942年からはヤーキズ霊長類生物学研究所所長を兼ねた。ジョンズ・ホプキンズ大学ではワトソンにも学び、強い影響を受けた。セント・エリザベス病院では脳の機能の局在を研究していたフランツShepherd Ivory Franz(1874―1933)のもとでネズミの学習や記憶の研究を始め、1929年には『脳髄の機構と智能』を発表して、大脳皮質各部の等能性と量作用の原理を主張しゲシュタルト心理学に接近した。
[宇津木保]
『白井常子訳『脳髄の機構と智能』(1945・三省堂)』