ラムネー(英語表記)Félicité Robert de Lamennais

改訂新版 世界大百科事典 「ラムネー」の意味・わかりやすい解説

ラムネー
Félicité Robert de Lamennais
生没年:1782-1854

フランスのカトリック司祭文筆家。ブルターニュ出身。J.M.deメーストル,L.G.A.deボナールなどの伝統主義を継承して,カトリック教会フランス革命打撃から立ち直ることを目標に,多くの護教論的著作や新聞の発行を通じて,活発に論陣を張った。教会の精神的権威と自由の護持のためには,教会と国家との完全な分離が必要であると主張して,カトリック・リベラリズムの先駆者となる。彼の進歩的思想を異端視する人々との戦いのなかで,ラムネーは司祭職を放棄し,教会との和解が成立しないまま死を迎えた。
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百科事典マイペディア 「ラムネー」の意味・わかりやすい解説

ラムネー

フランスのカトリック思想家。司祭だったが,次第に社会政治改革の思想をいだくようになり,破門されたのち独自のキリスト教社会主義立場で活動した。1848年国民議会議員。主著《一信者の言葉》(1834年),《民衆に与うる書》(1837年)。

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