シルクハット(その他表記)silk hat

翻訳|silk hat

デジタル大辞泉 「シルクハット」の意味・読み・例文・類語

シルク‐ハット(silk hat)

男子の礼装用帽子。頂が平らな円筒形の帽子で、両端がやや反り上がった狭い縁がつく。絹仕上げでつやがあり、黒色正式トップハット
[類語]被り物帽子山高帽子中折れ鳥打ち帽ハンチングかんかん帽ベレーボンネットシャッポキャップハットソフト帽麦藁帽子パナマ帽制帽学帽角帽チロリアンハットテンガロンハットトルコ帽正ちゃん帽鳥打ち帽子ビーニー

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精選版 日本国語大辞典 「シルクハット」の意味・読み・例文・類語

シルク‐ハット

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] silk hat ) 男子の礼装用帽子。山の高い円筒形で、縁はややそり上がり、表面は黒色の光沢のある絹でおおってある。トップハット。
    1. [初出の実例]「ばらの花さへ、絹帽(シルクハット)に挟まれたしと願ふならひ」(出典:暁月夜(1893)〈樋口一葉〉一)

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改訂新版 世界大百科事典 「シルクハット」の意味・わかりやすい解説

シルクハット
silk hat

正装のとき男子がかぶる,クラウンが高く頂きが平らな帽子。トップ・ハットtop hat,ハイ・ハットhigh hat,ビーバー・ハットbeaver hatなどともいう。フランス製の絹でつくられたものが最高とされている。1797年イギリスの帽子職人ヘザリントンJohn Hetheringtonによって考案された。フランスでは同じころビーバーの素材に青,白,赤3色のバンドをつけた同型のものが登場した。また1800年代になると共和主義者や若者たちが競ってかぶり,日常用となった。女子も乗馬用にこの種の帽子を用いていた。19世紀末には黒の絹製を正装用とし,グレー,白,茶などは略装であった。ビーバーのほかにラシャフェルトも用い,リボン飾りも絹以外にフェルトなどが使われた。現代も欧米上層階級競馬,ガーデン・パーティなど野外での催しに略装のシルクハットをかぶる。
帽子
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シルクハット」の意味・わかりやすい解説

シルクハット
しるくはっと
silk hat

クラウンが円筒状で高く、頂上は平らで、狭いブリムは両側で折り返してある男子の帽子。黒く光沢がある。1797年にイギリス人ヘザリントンJohn Hetheringtonが考案したもので、ビーバー製であったため、シルク・ビーバーとよばれたが、しだいに絹のフラシ天仕上げ(起毛仕上げ)に変わっていった。1830年ごろから非常に人気が出て、19世紀中は若者たちなどにより一般的に用いられた。同世紀末からは正式礼装用となり20世紀前半までかぶられた。また、くだけた服装として黒以外の色が用いられることもあった。女子の正式な乗馬用帽子にも19世紀中ごろからかぶられている。トップハットtop hat、ハイハットhigh hatなどとよぶこともある。

[浦上信子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シルクハット」の意味・わかりやすい解説

シルクハット
silk hat

トップハットともいう。一般に毳 (けば) のある絹で作った,縁のある円筒帽。男性用の正式礼帽で,女性も乗馬服に用いる。頂きは平らで,いわゆるメロン形の山高帽とは区別される。祖型は 16~17世紀のビーバーハット (海狸帽) にみられるが,1797年ロンドンの帽子屋 J.ヘザリントンの案出したものに始るとされ,1790年代の若者や共和主義者にかぶられ,19世紀初頭の長ズボンの着用と並行して一般化した。素材はビーバーから絹に変り,シルクハットの呼称が生じた。類似した型の帽子の名称にはチムニーポットハット,ポスティリアンハット,オペラハット,クェーカーハットなどのほか,アメリカのビーガムハットなどがある。

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百科事典マイペディア 「シルクハット」の意味・わかりやすい解説

シルクハット

男性の礼装用帽子。クラウン(帽子の山)の高い,頂上が平らなもの。トップ・ハットともいう。黒が正式とされ,生地は絹に特別仕上げしたものが用いられる。欧米では,競馬,クリケット見物など野外の催しにもかぶられるが,日本ではほとんど用いられない。
→関連項目帽子

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