ラードロフ(その他表記)Vasilij Vasil'evich Radlov

デジタル大辞泉 「ラードロフ」の意味・読み・例文・類語

ラードロフ(Vasiliy Vasil'evich Radlov)

[1837~1918]ロシアの東洋学者。ドイツ生まれ。シベリアトルキスタン調査中央アジア・トルコ系諸民族の言語文学研究業績を残した。著「トルコ方言辞典稿」「北方トルコ諸部族民族文学資料」。

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改訂新版 世界大百科事典 「ラードロフ」の意味・わかりやすい解説

ラードロフ
Vasilij Vasil'evich Radlov
生没年:1837-1918

ベルリン生れのロシアの東洋学者,トルコ学者,民族学者。ドイツ名はFriedrich Wilhelm Radloff。ベルリン大学を卒業後ロシアに移り,トルコ系諸民族の言語,文学,民族に関する諸資料を収集・研究,《トルコ方言辞典稿》4巻(1893-1911),《北方トルコ諸部族民族文学資料》10巻18冊(1866-1907)の2大著を著したほか,オルホン碑文,ウイグル文書など新発見の古代トルコ語資料の研究にも先駆的な業績を残した。
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世界大百科事典(旧版)内のラードロフの言及

【シベリア探検】より

…とりわけニブヒ族ウリチ族ウイルタ族などの民族誌的研究《アムール地方の異民族について》(3巻,1883‐1903)は現在でもこの方面の研究の必須文献である。 1862‐1902年,西シベリアの考古,民族,言語を調査したラードロフVasilii Vasil’evich Radlov(1837‐1918)は多くの報告を発表したが,その一つ《シベリアより》(2巻,1884)はよく知られている。20世紀初頭のシベリア北東部の民族学的調査として,アメリカの民族学者ボアズを中心としたアメリカ自然史博物館の北太平洋調査団の活動は重要である。…

【シベリア探検】より

…とりわけニブヒ族ウリチ族ウイルタ族などの民族誌的研究《アムール地方の異民族について》(3巻,1883‐1903)は現在でもこの方面の研究の必須文献である。 1862‐1902年,西シベリアの考古,民族,言語を調査したラードロフVasilii Vasil’evich Radlov(1837‐1918)は多くの報告を発表したが,その一つ《シベリアより》(2巻,1884)はよく知られている。20世紀初頭のシベリア北東部の民族学的調査として,アメリカの民族学者ボアズを中心としたアメリカ自然史博物館の北太平洋調査団の活動は重要である。…

【マナス】より

…キルギス族の英雄叙事詩。古来,キルギス族の間に口承で伝えられ,19世紀の中葉に,ロシアのCh.Ch.ワリハーノフやV.V.ラードロフによって初めて文字に採録されて以後,その本格的な研究が開始された。50万行を超えるこの膨大な史詩は,それを語り伝えたマナス誦(よ)みmanaschiによって,少なくとも18種類以上の異本が生み出されており,その原形が,いつ頃いかなる形でつくり出されたものであるかは,現在なお明らかでない。…

※「ラードロフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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