ウェーザー川上流の両岸域に位置したドイツの旧領邦(ラント)。ライン川の支流リッペ川の源流とウェーザー川に挟まれた地域に,〈リッペ貴族〉が12世紀以来領土を広げ,16世紀に伯爵領となった。17世紀に3家系に分かれ(1系は18世紀に廃絶),このうちリッペ・デトモルトLippe-Detmoldは1789年侯国となり,1946年まで領邦としての自立性を維持した。1918年共和制に移行,47年ノルトライン・ウェストファーレン州に編入され,デトモルト県リッペ郡(人口32万7000(1980))となる。リッペ・アルフェルディセンLippe-Alverdissenはビュッケブルクを取得して〈シャウムブルク・リッペSchaumburg-Lippe〉と称し,1807年侯国に昇格した。1946年まで独立の領邦として存続したが,第二帝政期にはドイツ帝国を構成する最小邦であった。1918年共和制に移行し,47年ニーダーザクセン州に編入され,ハノーファー県シャウムブルク・リッペ郡(人口15万3000(1980))となる。ともに旧ウェストファーレンに属する地域である。
執筆者:渡辺 尚
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報