リンゴハナゾウムシ(読み)りんごはなぞうむし(その他表記)apple-blossom weevil

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リンゴハナゾウムシ」の意味・わかりやすい解説

リンゴハナゾウムシ
りんごはなぞうむし / 林檎花象虫
apple-blossom weevil
[学] Anthonomus pomorum

昆虫綱甲虫目ゾウムシ科に属する昆虫。本州に産し、海外では朝鮮半島、シベリア、ヨーロッパに広く分布する。体長3~4.5ミリ。暗褐色で長卵形のゾウムシで触角と脚(あし)はやや淡色、吻(ふん)は細くて前方へ伸びる。体表には黄色毛を混じえた白色の鱗毛(りんもう)があり、上ばねでは白色毛による小点状の紋が散在し、前胸中央の縦条や上ばね中央後方の斜めの横帯紋は灰白色。前脚腿節(たいせつ)の下面には大きく鋭い歯突起がある。リンゴやナシ類の害虫として知られ、雌は花芽の中に産卵し、幼虫はつぼみの内部を食べて育つので花の発育が止まり、花弁が枯れて褐色の帽子状になる。年一世代。

[中根猛彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排他的経済水域

略称 EEZ。沿岸国が水産資源や海底鉱物資源などについて排他的管轄権を行使しうる水域。領海を越えてこれに接続する区域で,領海基線から 200カイリの範囲をいう。沿岸国は,水中ならびに海底と地下の天然資...

排他的経済水域の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android