日本大百科全書(ニッポニカ) 「リンゴハナゾウムシ」の意味・わかりやすい解説
リンゴハナゾウムシ
りんごはなぞうむし / 林檎花象虫
apple-blossom weevil
[学] Anthonomus pomorum
昆虫綱甲虫目ゾウムシ科に属する昆虫。本州に産し、海外では朝鮮半島、シベリア、ヨーロッパに広く分布する。体長3~4.5ミリ。暗褐色で長卵形のゾウムシで触角と脚(あし)はやや淡色、吻(ふん)は細くて前方へ伸びる。体表には黄色毛を混じえた白色の鱗毛(りんもう)があり、上ばねでは白色毛による小点状の紋が散在し、前胸中央の縦条や上ばね中央後方の斜めの横帯紋は灰白色。前脚腿節(たいせつ)の下面には大きく鋭い歯突起がある。リンゴやナシ類の害虫として知られ、雌は花芽の中に産卵し、幼虫はつぼみの内部を食べて育つので花の発育が止まり、花弁が枯れて褐色の帽子状になる。年一世代。
[中根猛彦]