翻訳|reaper
麦類の収穫を目的に欧米で使われた刈取機で,畜力またはトラクターで牽引(けんいん)された。構造はモーアに集束装置を付属させたもので,扇状の受台上に刈り倒された作物を,中空を回転する数本の櫛(くし)状レーキによってかき落とすようになっている。モーアは収穫対象が牧草であるから刈り倒したままでよいが,リーパーでは穀物の収穫が目的であるので,機械やウマが刈取麦の上を踏まないよう次の行程の通路をつくりながら,刈り取ったものを適量ずつひとまとめに集めて機械の後部側方にかき落としていく。刈取切断部はモーアと同様な機構になっており,主車輪より得られた回転力でバリカン式刈刃を往復運動させる。レーキは作物を刈刃の方へかき寄せて切断を助けるかき寄せ作用と,受台上の作物を結束しやすい量だけまとめて地上に落とす集束落下作用をする。これらの作用は特殊なカム装置によってつくられるレーキの回転運動を利用して行われる。レーキも主車輪により駆動される。リーパーは1800年代後期に完成されたが,バインダーやコンバインの出現によりしだいに姿を消した。日本ではほとんど利用されなかった。
執筆者:岡本 嗣男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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