ルイーズ(読み)るいーず(その他表記)Louise

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルイーズ」の意味・わかりやすい解説

ルイーズ
るいーず
Louise

フランスの作曲家ギュスターブ・シャルパンチエが、自らの台本をもとに1900年に完成した四幕の歌劇パリの労働者街を舞台に、貧しいお針子ルイーズと詩人ジュリアンの恋を描き、ジュリアンとルイーズの両親との確執を通じて、自由にあこがれる革新性と、それを恐れる保守的な考え方との葛藤(かっとう)が表現されている。シャルパンチエはこの作品を「音楽物語」と名づけたが、これは、ゾラに傾倒していた彼が、現実の社会の偽らぬ姿を舞台に持ち込もうと意図した結果で、フランス・オペラに初めて自然主義の考えを導入した点で重要な作品。動機を人物や情況と結び付けたいわゆるライトモチーフの使用により、音楽的にも高い密度が保たれている。完成の同年パリのオペラ・コミック座で行われた初演は大成功で、作曲者の生前だけでも1000回近く上演された。日本初演は1966年(昭和41)オペラ青年グループによる。

[三宅幸夫]

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デジタル大辞泉プラス 「ルイーズ」の解説

ルイーズ

フランスの作曲家ギュスターヴ・シャルパンティエのフランス語による全2幕のオペラ(1900)。原題《Louise》。パリを舞台に貧しい娘と詩人の恋を描いた作品。

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世界大百科事典(旧版)内のルイーズの言及

【シャルパンティエ】より

…管弦楽組曲《イタリアの印象》(1890),3幕の交響劇《詩人の生活》(1891。これをもとに4幕のオペラに拡大した《ジュリアン》1913),とりわけ自由恋愛と女性の自立を主題にしたオペラ《ルイーズ》(1900初演)で知られている。師マスネーの抒情的な作風にワーグナーの示導動機法,半音階法も加味して,ロマン主義と現実主義の混ざり合ったオペラを作曲した。…

※「ルイーズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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