確執(読み)カクシツ

デジタル大辞泉 「確執」の意味・読み・例文・類語

かく‐しつ【確執】

[名](スル)互いに自分意見を強く主張して譲らないこと。また、そのために生じる不和。かくしゅう。「兄弟の間の確執
[類語]対立鼎立孤立不和不仲仲違い反目葛藤軋轢対峙悶着摩擦風波波風仲間割れぎくしゃくいがみ合う睨み合う角が立つひびが入る秋風が立つ

かく‐しゅう〔‐シフ〕【確執】

[名](スル)かくしつ(確執)」に同じ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「確執」の意味・読み・例文・類語

かく‐しゅう‥シフ【確執】

  1. 〘 名詞 〙
  2. かくしつ(確執)
    1. [初出の実例]「其有告密示語確不、仍云事須面奏者〈謂。先已三示。後示三示。為其確執不一レ事状〉」(出典:令義解(833)獄)
  3. かくしつ(確執)
    1. [初出の実例]「左府遏絶資平事、挙奏之人有其数云々、経道、兼鋼、道雅、定頼云々、資平事確執殊甚云々、是只依非近親、回縁也」(出典:小右記‐長和三年(1014)三月二三日)
    2. 「同行はたがひに四海のうちみな兄弟のむつびをなすべきに、かくのごとく簡別隔歴せば、おのおの確執(クヮクシフ)のもとひ、我慢の先相たるべきをや」(出典:改邪鈔(1337頃))
  4. 意見がくいちがうこと。齟齬(そご)すること。
    1. [初出の実例]「諸人云、初盖之後、不忌五星月、天一天上、往古不聞之事也、不敢忌避云々、光栄云、正寝尤可忌避、確執㝡甚」(出典:小右記‐長和三年(1014)三月六日)

かく‐しつ【確執】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 自分の意見を強く主張して譲らないこと。固執。かくしゅう。
    1. [初出の実例]「神奈川県党員が合同を確執し、愛知県人士が正反対の地位に立ちたるは」(出典:政党評判記(1890)〈利光鶴松〉一)
  3. 双方の間が不和になること。争い。もめごと。かくしゅう。
    1. [初出の実例]「南都大乗院禅師房と六方の大衆と、確執(クヮクシツ)の事有て合戦に及ぶ」(出典:太平記(14C後)二)
    2. 「『仏国』との確執(カクシツ)発り」(出典:新聞雑誌‐七号・明治四年(1871)七月)

確執の語誌

「執」は漢呉音ともシフで、もともとカクシフと読まれ、古辞書類もほとんどこの読みを記している。しかしシフ(執)は漢語熟語の上部にきてシッと促音に読まれたため、シツの慣用音を生じ、「確執」もカクシツと読まれるようになった。類語に「固執」があるが、これをコシツと読む例は近世末まで見当たらない。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「確執」の読み・字形・画数・意味

【確執】かくしつ・かくしゆう

不和。

字通「確」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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