改訂新版 世界大百科事典 「ルガード」の意味・わかりやすい解説
ルガード
Frederick John Dealtry Lugard
生没年:1858-1945
アフリカ植民地に間接統治方式を導入したイギリス植民地行政官。インドのマドラスで伝道牧師の家に生まれた。陸軍士官学校に学び,アフガニスタン,スーダン,ビルマ(現,ミャンマー)で戦争に参加した。1890年に帝国イギリス東アフリカ会社に雇われてウガンダで,94年には王立ニジェール会社に雇われてナイジェリアで,イギリスの勢力圏拡大に努めた。1900年からは新設された北部ナイジェリア保護領の高等弁務官として統治にあたり,原住民の統治組織をそのまま利用した間接統治方式を導入した。12年には南北ナイジェリア保護領の合体化のために両保護領の総督を兼任し,14年に合体を施行した。19年の退任後,《イギリス熱帯アフリカにおける二重委任》(1922)で間接統治論を明らかにし,22年から28年まで国際連盟の委任統治委員会の委員を務め,またアフリカ研究の推進にも努めた。
執筆者:中村 弘光
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報