ルキウス(読み)るきうす(英語表記)Lucius Ⅲ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルキウス」の意味・わかりやすい解説

ルキウス(3世)
るきうす
Lucius Ⅲ
(?―1185)

ローマ教皇(在位1181~85)。ルッカの出身で本名ウバルド・アルチンゴリUbaldo Allucingoli。在位中ローマ市民の敵意に直面し、他方皇帝フリードリヒ1世(赤髯(あかひげ)王)と対抗した。1184年、皇帝との協議の産物たるベロナ勅令は、ワルドー派、アルノルド派以下一連の異端問題の重大性を指摘し、異端鎮圧における世俗権力の協力を義務づけたもので、以後の異端対策の基本方針となった。

[渡辺昌美]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

放射冷却

地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。赤外放射...

放射冷却の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android