ルッカ(読み)るっか(英語表記)Lucca

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルッカ」の意味・わかりやすい解説

ルッカ
るっか
Lucca

イタリア中部、トスカナ州ルッカ県の県都。人口7万9783(2001国勢調査速報値)。セルキオ川左岸に位置し、周辺の灌漑(かんがい)平野で生産される農産物集散地中世・ルネサンス時代には毛織物絹織物といった特産品を擁し、大いに繁栄した。その時代の町並みは、11か所の砲塁を有した周囲4キロメートルの城壁(16~17世紀)の内部にほぼそのままの姿で残っている。19世紀後半以降にできた新市街は城壁の外に形成されている。サン・マルティーノの大聖堂(11~14世紀)、サン・ミケーレ・イン・フォーロ教会(12~13世紀)、グイニージ宮殿(14世紀)、サン・フレディアーノ教会(12世紀)などがある。

[堺 憲一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルッカ」の意味・わかりやすい解説

ルッカ
Lucca

イタリア中西部,トスカナ州の北西部にあるルッカ県の県都。フィレンツェの西約 60km,セルキオ川の近くに位置する。古くはリグリア人,次にエトルリア人が居住し,前3世紀にローマ人が占領,その軍営地となり,市街北方にその跡がみられる。 11世紀に自治都市となり,毛織物,絹織物業で繁栄。 16世紀には宗教改革運動の中心地となったが,その後フィレンツェに繁栄を奪われた。現在は豊かな農業地域の集散地で,ワイン,オリーブ油,絹,たばこなど農産物加工業が行われる。外面ロマネスク様式,内部がゴシック様式の聖マルティノ大聖堂や 12世紀建設の聖ミケレ聖堂などをはじめ数多くの由緒ある建造物がある。人口8万 6188 (1991推計) 。

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