ルクレティア(読み)るくれてぃあ(英語表記)Lucretia

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルクレティア」の意味・わかりやすい解説

ルクレティア
るくれてぃあ
Lucretia

古代ローマの伝説上の人物。タルクィニウス・コラティヌスの貞淑な妻であったが、ローマ王タルクィニウス・スペルブスの息子に陵辱され、自殺した。この事件は、王の暴君ぶりと相まって市民武装蜂起(ほうき)を招き、王は追放されて共和政が樹立される契機となった、と伝えられている。彼女の悲劇的な死は、ヨーロッパ美術・文学作品の格好題材となった。

田村 孝]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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