日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルヌー」の意味・わかりやすい解説
ルヌー
るぬー
Louis Renou
(1896―1966)
フランスのサンスクリット学者。リオン大学(1925~1928)、パリ高等研究学院で(1929~1937)教鞭(きょうべん)をとったのち、1937年以来ソルボンヌ大学(パリ大学)教授となり、またシルバン・レビの後を受けて1935年以来パリのインド文化研究所を主宰した。1946年フランス学士院の会員に選ばれ、1954年~1956年の間、日仏会館館長として東京に在任し、日仏文化、学術の交流に貢献した。その功によって、1956年日本学士院客員会員となる。ベーダ学とインド土着文法学の研究に優れた貢献をしたが、インド古代の言語、文学、哲学、宗教をはじめとするインド学のほぼ全域にわたって不朽の業績を残した。辻直四郎(1899~1979)著『ヴェーダ学論集』にルヌーの懇切な著作目録がある。
[原 實 2018年8月21日]