レビ(読み)れび(英語表記)Sylvain Lévi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レビ」の意味・わかりやすい解説

レビ
Lévy,Bernard-Henry

[生]1948.11.5. アルジェリア
フランスの批評家作家。五月革命に裏切られた世代の一人として,全体主義,社会主義の欺瞞を告発した『人間の顔をした野蛮』 La Barbarie à visage humain (1977) で登場。以後『フランス・イデオロギー』L'Idéologie française (81) ,『原則の問題』 Questions de principe I,II (81~86) などで「新哲学派」と呼ばれる。また,日記や書簡証言から,死の床にある詩人の生を再構成した小説ボードレール最期の日々』 Les Derniers jours de Charles Baudelaire (88) でアンテラリエ賞を受賞する。

レビ
Lévi, Sylvain

[生]1863.3.28. パリ
[没]1935.10.30. パリ
フランスの東洋学者,インド学者。 1889年ソルボンヌ大学,94年コレージュ・ド・フランスのサンスクリット語教授。 97,98年インドに旅行し,ネパール碑文写本を研究した。ブラーフマナ叙事詩,インド=ギリシア文化交渉史,サンスクリット文学,梵蔵漢仏教文献の比較研究のほか,トカラ語の研究によるインド=ヨーロッパ語比較文法への功績は大きい。日仏会館館長として3度来日し,高楠順次郎とフランス語仏教辞典『法宝義林』を共同編纂した。多数のサンスクリット語校訂出版があり,仏教文化研究に大きく貢献した。

レビ
Lévis

カナダ,ケベック州南部の都市セントローレンス川に面し,ケベック市の対岸にある。船舶修理,木工鋳物たばこなどの工業が行われる。フレンチ・アンド・インディアン戦争ではイギリス軍の J.ウォルフェ将軍のケベック包囲戦 (1759) の砲撃基地であった。市名はフランス軍指揮者レビ伯の名誉をたたえたもの。人口 13万8769(2011)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「レビ」の意味・わかりやすい解説

レビ
れび
Sylvain Lévi
(1863―1935)

フランスの東洋学者。主としてインド学、仏教学に優れた貢献をなした。ソルボンヌ大学(パリ大学)、コレージュ・ド・フランス、ストラスブール大学で教鞭(きょうべん)をとり、インド、ネパール、パレスチナ、アメリカ、ロシアなど世界各国に招かれた。日本にも三度来日し、日仏会館館長の職につき、東京帝国大学で講義し、帝国学士院名誉会員に列せられた。その著作はインド学のあらゆる分野を覆い、中央アジア、西域の言語研究、またこの地方から発見された仏典の校訂に不滅の業績を残した。著書、論文など多数ある。

[原 實 2017年4月18日]

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