日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルーイーチュワン」の意味・わかりやすい解説
ルーイーチュワン
るーいーちゅわん / 如意捲
中国料理の前菜(チエンツァイ)の一種。僧具の如意の形に似ているから名づけられたとも、意のままに巻いてあるからともいわれる。25センチメートル平方くらいの薄焼き卵をつくり、片面にかたくり粉を薄くふり、その上に薄味をつけた魚やエビのすり身を3ミリメートル厚さにすきまのないように塗り伸ばす。片端には1センチメートル角棒状のハムと赤トウガラシの糸切りを置き、他の端にはゆでた青菜と黄菊の花弁を配しておき、卵の両端から巻いて中央の合わせ目にかたくり粉をつける。これをきっちりふきんに巻き包んで、沸騰する蒸籠(せいろう)に入れて約20分間蒸す。熱いうちにふきんを外して放冷し、十分冷めてから2.5~3ミリメートルに薄く小口から切る。切り口を上に向けて器に盛り重ね、練りからし、しょうゆを添えて供する。両端に巻き込む材料が春のものであれば蒸蛋衣春捲(チョンタンイーチュンチュワン)、秋の材料を巻くと秋捲(チウチュワン)となる。いずれも適当に季節の香りを巻くとよい。小口切りは厚くすると、日本のかまぼこのようになるのでかならず薄切りにする。
[野村万千代]