共同通信ニュース用語解説 「すり身」の解説
すり身
スケトウダラやホッケなどの魚肉をすりつぶす調理法で、かまぼこやちくわといった練り製品の原料となる。日本は米国やインド、タイから主に輸入している。すり身を使った郷土料理は数多い。資源の減少などで価格が高騰している魚介類の代替品の開発も進んでいる。ウナギのかば焼きやホタテに味や食感が似たかまぼこが商品開発された。
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スケトウダラやホッケなどの魚肉をすりつぶす調理法で、かまぼこやちくわといった練り製品の原料となる。日本は米国やインド、タイから主に輸入している。すり身を使った郷土料理は数多い。資源の減少などで価格が高騰している魚介類の代替品の開発も進んでいる。ウナギのかば焼きやホタテに味や食感が似たかまぼこが商品開発された。
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魚肉に糖類などのタンパク変性防止剤を加えた練製品原料。凍結状態で貯蔵するので冷凍すり身ともいう。一般に魚肉をそのまま凍結するとタンパク質の変性がおこり,かまぼこなどの練製品原料として使用できなくなる。そこで魚肉採取機で細砕肉(落し身)とし,これを十分水洗(水さらし)したのち,タンパク変性を抑制する物質を添加してかくはん・混合すれば,長期冷凍貯蔵後も練製品原料として使用に耐えるようになる。この冷凍すり身技術は1952年に北海道水産試験場において開発された。
すり身は製造方法により無塩および加塩すり身,製造場所により陸上および船上(洋上)すり身に分類される。無塩すり身とはタンパク変性防止剤としてショ糖あるいはソルビット5~8%,重合リン酸塩0.2~0.3%などを加えてミキサーかサイレントカッターでかくはんして製造したものである。加塩すり身とはまず食塩を2~2.5%加えて肉をゾル状(粘稠(ねんちゆう)な溶液)にした後,ショ糖あるいはソルビットを8~10%加えてかくはんしたものである。無塩すり身は冷凍中の氷晶が細かくタンパク質の変性が少ないのに対して,加塩すり身はかまぼこに製造したときの弾力(ゲル形成能)がすぐれているともいわれる。また陸上すり身はおもに北海道の中小水産加工業者が北転船および沖合底引船が陸揚げした原料魚から製造するもので,船上すり身は工船すり身ともいわれ,母船式底引網漁業船団の母船や遠洋トロール船上で製造されるものである。
製品のすり身は原料魚種別,無塩か加塩の別,陸上か船上の別ごとに全国冷凍魚肉協会により品質規格が定められており,スケトウダラでは高級すり身の特についで特A,A,B,Cなどの等級がある。現在年間生産量は15万t前後で,ほとんどがスケトウダラを原料としている。陸上すり身と船上すり身の割合はほぼ半々である。主原料のスケトウダラの漁獲が200カイリ規制で大幅に減っているためすり身の生産は減少傾向にある。
執筆者:山口 勝巳
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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