大学事典 の解説
ルーヴァン・カトリック大学[ベルギー]
ルーヴァン・カトリックだいがく
ルーヴァン(ルーヴェン)にある世界最古のカトリック大学で,1425年にローマ教皇マルティヌス5世によって設立された。大学の発展に著名な教授陣が貢献している。たとえばデジデリウス・エラスムス,D.(Desiderius Erasmus, D.)は,1517年に古典語を教えるコレギウムを創設している。地図のメルカトル図法で知られるゲラルドゥス・メルカトル,G.(Gerardus Mercator, G.)も,この大学で教えている。ヨーロッパ研究大学連盟(LERU)に加盟する23の研究大学の一つである。しかし学問的栄光の歴史とともに,いくつもの悲劇に襲われた大学として知られている。第1次世界大戦時の1914年に附属図書館が焼失し,30万冊の蔵書が灰になった。再建された図書館は第2次世界大戦時の1940年に再び焼かれ,蔵書のほとんどが失われている。またベルギーの言語戦争に巻き込まれ,大学が立地するフランデレン地域(オランダ語圏)で,オランダ語のみの教授を求められたため,フランス語を母語とする教職員や学生はワロン地域(フランス語圏)のルーヴァン・ラ・ヌーヴ(ベルギー)に1968年に新たに設立された同名の大学への移動を余儀なくされた。タイムズ誌の世界大学ランキング(2015/16年)では35位。
著者: 田中正弘
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報