母語(読み)ぼご(英語表記)mother tongue; native language

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

母語
ぼご
mother tongue; native language

ある人が幼児期に周囲の人が話すのを聞いて自然に習い覚えた最初の言語。日本人が日本語を母語とする場合などは母語と母国語が一致するが,日本語を母語としながら日本国籍を持たない場合や,政治的・地理的独立国家を持たないイディッシュ語やバスク語を母語とする人々の場合のように母語が母国語と一致しないことも少なくない。特に,多民族・多言語国家では母語のほかに第2,第3の言語を習得し,二 (多) 言語使用者となる人が多い。また,戦争中に中国に残された孤児のように,幼児期に獲得した母語 (日本語) を喪失し,別の言語 (中国語) が第一言語となることもある。

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百科事典マイペディアの解説

母語【ぼご】

一般に個人が最初に習得する言葉。子どもが成長の過程で母親など身近な人々から習得する言葉は,本人にとって最も自由な表現の手段であり,思考や人格と結びついた,代替の不可能な言語という理由で,言語心理学や言語教育などでは重視されている。また近代以降,民族語が民族にとっての母語として象徴的役割を担わされたため,思想史や政治においても重要な概念であった。単なる母国の言葉である母国語とは本来別のものである。
→関連項目言語相対論識字率

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世界大百科事典 第2版の解説

ぼご【母語】

ある個人もしくは集団が人生の最初に習得した言語のこと。しかし,その〈言語〉をどう解するかによって,広い意味での母語と狭い意味での母語を概念的に区別することが可能である。 広い意味での母語とは,たとえば日本人にとっての日本語のようなもので,ある個人が最初に習得した方言をその後なんらかの理由で捨て去るか変質させても,現在話しているものが日本語のいずれかの方言(もしくは,それに近いもの)である限り,彼にとって日本語が母語であるということができる。

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大辞林 第三版の解説

ぼご【母語】

ある人が幼児期に周囲の大人たち(特に母親)が話すのを聞いて最初に自然に身につけた言語。
同じ系統に属するいくつかの言語の源にあたると考えられる言語。フランス語、イタリア語、スペイン語などに対するラテン語の類。祖語。

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精選版 日本国語大辞典の解説

ぼ‐ご【母語】

〘名〙
① (mother tongue の訳語) 幼児期に最初に習得される言語。第一言語。
ルクレチウスと科学(1929)〈寺田寅彦〉一「此の希臘人の発見した真理の教を伝へんとするに当って、自分の母語ラテンが余りに貧しいものであるとこぼして」
② (langue mère Ursprache の訳語) 同じ系統に属する諸言語の源である言語。例えば、フランス語、スペイン語、イタリア語などの母語はラテン語である。祖語。

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