日本大百科全書(ニッポニカ) 「世界大学ランキング」の意味・わかりやすい解説
世界大学ランキング
せかいだいがくらんきんぐ
World University Rankings
世界の大学を一定の指標や基準で順位づけしたもの。「論文の引用数」「ノーベル賞などの受賞者数」「世界の学者の評判」「外国人や留学生の比率」などを基に順位づけしている。世界的な大学ランキングは20世紀からあったが、順位づけの根拠などが公表されていなかった。グローバル化が急速に進んだことで2000年代に入って、相次いで世界大学ランキングが作成・公表されるようになり、2004年には、世界大学ランキングを審査する国連教育科学文化機関(ユネスコ)の国際ランキング専門家グループ(IREG:International Ranking Expert Group)が発足した。世界大学ランキングはさまざまな機関により作成されているが、イギリスの教育専門誌『タイムズ・ハイアー・エデュケーション』Times Higher Educationが2004年から発表している「THE世界大学ランキング」、イギリスの大学評価機関クアクアレリ・シモンズ(QS:Quacquarelli Symonds)が2004年から発表している「QS世界大学ランキング」、中国の上海(シャンハイ)交通大学が2003年から発表している「世界学術大学ランキング」、サウジアラビアの世界大学ランキングセンター(CWUR:The Center for World University Rankings)による「CWUR世界大学ランキング」などが著名である。THE世界大学ランキングやQS世界大学ランキングは「世界の学者の評価」「学生一人当りの教員数」「論文引用数」「外国人教員比率」などの指標で順位づけをしており、留学生が留学先を選択する際の参考にされることが多いとされる。世界学術大学ランキングの順位は学生数など大学の規模に比例する特徴がある。
日本では、100位以内に、THE世界大学ランキングで2校、QS世界大学ランキングで5校、世界学術大学ランキングで4校と低水準にとどまっている(2015)。ランキングの多くが英語による論文数や海外留学生数などを指標として採用しており、非英語圏にある大学の順位は低くなりがちとの傾向があるとされている。
[矢野 武 2016年7月19日]