日本大百科全書(ニッポニカ) 「レオンカバッロ」の意味・わかりやすい解説
レオンカバッロ
れおんかばっろ
Ruggiero Leoncavallo
(1858―1919)
イタリアの作曲家。ナポリの判事の息子として生まれる。1866~76年ナポリ音楽院で学んだのち、カフェーのピアノ奏者あるいはピアノ教師としてヨーロッパ各地を旅行。マスカーニの『カバレリア・ルスティカーナ』の成功に刺激され、オペラ『道化師』を完成、92年トスカニーニの指揮で初演され、彼の名を一躍有名なものとした。翌年ワーグナーに倣って計画した三部作『たそがれ』の第一部『メディチ家』を発表したが成功せず、三部作も未完となった。その後の作品は、プッチーニのオペラと同じ題材による『ラ・ボエーム』(1897)がいちおうの成功をみた以外は、いずれも失敗に終わった。彼の名を不朽にした『道化師』は、プロローグや劇中劇を取り入れた作曲者自身による台本のみごとな構成と効果的な音楽によって、『カバレリア・ルスティカーナ』と並ぶベリズモ・オペラの代表作として、高く評価されている。
[寺田由美子]