日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロクロアの戦い」の意味・わかりやすい解説
ロクロアの戦い
ろくろあのたたかい
三十年戦争中の1643年、フランス北部アルデンヌのロクロアRocroiで行われたフランス、スペイン両軍の戦闘。三十年戦争末期、フランスはアラスを占領し、ネーデルラントにおけるスペインの支配に脅威を与えた。積極的な対外政策に出ていたスペインのフェリペ4世は、国内でのポルトガルの蜂起(ほうき)やカタルーニャ反乱に行動を抑制されながら反撃に出ようとし、この戦いでアンガン公指揮のフランス軍に大敗北を喫した。両国の戦争はこの後も続けられ、1659年のピレネー条約で和したが、これ以後、スペインにかわってフランスの勢力がヨーロッパで優位となった。
[深澤安博]
『J・ビセンス・ビーベス著、小林一宏訳『スペイン――歴史的省察』(1975・岩波書店)』
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