省察(読み)セイサツ

デジタル大辞泉 「省察」の意味・読み・例文・類語

せい‐さつ【省察】

[名](スル)自分自身をかえりみて、そのよしあしを考えること。「自ら言動省察する」
[類語]考慮勘案考察考え勘定顧慮熟慮熟考考量商量思量思慮長考深慮千慮千思万考再考叡慮一考愚考

しょう‐さつ〔シヤウ‐〕【省察】

[名](スル)せいさつ(省察)

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精選版 日本国語大辞典 「省察」の意味・読み・例文・類語

せい‐さつ【省察】

  1. 〘 名詞 〙 みずからかえりみて、その善悪、是非を考えること。しょうさつ。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「隠微の中一念の起るを省察(セイサツ)して、その本源の地を乱らぬやうにするこそ、又簡要にて侍る」(出典駿台雑話(1732)一)
    2. [その他の文献]〔新唐書‐褚遂良伝〕

しょう‐さつシャウ‥【省察】

  1. 〘 名詞 〙 反省して、よしあしを考えること。せいさつ。
    1. [初出の実例]「謹慎に護持して、事々みづから省察すべし」(出典:十善法語(1775)九)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「省察」の意味・わかりやすい解説

省察
せいさつ
Meditationes de prima philosophia

デカルト形而上(けいじじょう)学の主著。1641年刊。本文とそれに対するアルノーホッブズガッサンディなどの反論とデカルトの答弁からなる。デカルトは絶対確実な真理を求めて、まず、すべてを疑う(方法的懐疑)。ついで、疑いつつある私自身の存在を、けっして疑いえない真理としてたてる(「われ思う、故にわれ在り(コギト・エルゴ・スム)」)。この第一の真理から出発し、神の存在証明を介して、物(身)心二元論の確立に向かう。

[香川知晶]

『所雄章他訳『デカルト著作集2』(1973・白水社)』

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普及版 字通 「省察」の読み・字形・画数・意味

【省察】せいさつ

よく考える。〔漢書、劉輔伝〕(上書)慘の誅を諫爭の臣に行ひ、群下を震し、忠直の心を失はしむ。~臣等竊(ひそ)かに深く之れを傷む。唯だ陛下(こころ)を留めて省察せよ。

字通「省」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の省察の言及

【デカルト】より

…このうち《幾何学》は幾何学と代数学を結合して解析幾何学を(フェルマーとともに)創始した業績として知られている。41年には形而上学の主著《省察》が,ホッブズ,アルノー,ガッサンディらの〈反論〉と著者の〈答弁〉を付けて刊行され,44年には自然学をも含むその体系のほぼ全容を示す《哲学の原理》が出版された。また43年以後ファルツ選挙侯の王女エリーザベトへの書簡を通じて道徳に関する省察を深め,そこから49年の《情念論》が生まれた。…

※「省察」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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