アラス(読み)あらす(英語表記)Arras

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アラス」の意味・わかりやすい解説

アラス
Arras

フランス北部,パドカレー県の県都。アルトア丘陵の北斜面に位置する。同県ではカレー市に次ぐ都市。ガロ・ローマ時代から織物生産の町として知られていたが,異民族の侵入により破壊され,6世紀に再建。 12世紀王領に統合され,毛織物,つづれ織などの繊維工業と金融の中心として発展した。 14世紀は内乱により衰退。 15世紀末にはスペイン軍に占領され,1640年ルイ 13世が取戻すまでスペインの影響下にあった。2度の世界大戦の被害にもかかわらず,古い町並み,フランドル風の家に囲まれた広場,市庁舎 (16世紀) などが残っている。地方農産物の集散地で,伝統的な繊維工業のほか,重工業も発達している。人口4万 2715 (1990) 。

アラス

クラリン」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アラス」の意味・わかりやすい解説

アラス
あらす
Arras

フランス北部、パ・ド・カレー県の県都。人口4万0590(1999)。パリの北178キロメートル、リールの南西51キロメートルにあり、スカルプ川に臨む。パリとフランス北部地方の中間にあってアルトア地方の東側に位置し、旧アルトア州の州都であった。中世にはヨーロッパにおける綴(つづれ)織の中心地であったが、機械、食品、繊維など新しい工業が加わった。第二次世界大戦による被害も著しかったが、大(グラン)広場、小(プチ)広場、大聖堂など、歴史的建造物が多い。

[高橋伸夫]

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