改訂新版 世界大百科事典 「ロベールウーダン」の意味・わかりやすい解説
ロベール・ウーダン
Jean-Eugène Robert-Houdin
生没年:1805-71
19世紀フランスの天才的奇術師,発明家。本名ロベールJean-Eugène Robert。ブロアの時計職人の子として生まれ,精密機械技術に通じてのち,機械技術を用いた画期的な奇術芸を案出した。また,新型時計や自動人形の発明に発揮された才能は,ルイ・フィリップやアカデミーの賞賛を受けるほどであった。1845年,パレ・ロアイヤルに〈パリ一小さい劇場〉と称するロベール・ウーダン劇場を開設して満都の人気を集めながら,二月革命以後は凋落し,晩年は海外公演のうちに過ごした。ロベール・ウーダン劇場はのちに初期無声映画の魔術師G.メリエスに買い取られ,96年にここでメリエス最初の映画が公開された。
執筆者:種村 季弘
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報