ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロマヌス1世」の意味・わかりやすい解説
ロマヌス1世
ロマヌスいっせい
Romanus I Lacapenus
[没]948.6.15. プロテ島
ビザンチン皇帝 (在位 920~944) 。一水兵から海軍司令官に昇進し,娘のヘレナをコンスタンチヌス7世の皇妃とし,皇父 Basileopatorの称号を得 (915) ,のちには娘婿と代って正帝として即位。巧妙な政治家で,過激な政策を嫌った。内政的には中小農民の保護を目指し,農地売買の規制のため2度勅令を出したりしたが,実効は薄かった。対外的にはブルガリアのシメオン王に苦しめられたが,その死後は和平条約を締結し (927) ,バルカン半島におけるビザンチンの影響力を増強。小アジアにヨハンネス・クルクアス将軍を派遣,メリテーヌ,エデッサなどの重要都市をイスラム勢力より奪還した (943) 。 944年息子ステファヌスとコンスタンチヌスの陰謀により捕えられ,同年 12月プロテ島に流され,その地で修道士として生涯を終えた。
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