デジタル大辞泉 「ロマンス諸語」の意味・読み・例文・類語 ロマンス‐しょご【ロマンス諸語】 ローマ帝国の各地に根づいた民衆の話し言葉としてのラテン語が、中世期における地域的分化を遂げた結果、成立した言語・方言の総称。イタリア語・フランス語・スペイン語・ポルトガル語・ルーマニア語など。ロマン諸語。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
世界の主要言語がわかる事典 「ロマンス諸語」の解説 ロマンスしょご【ロマンス諸語】 古代ローマ帝国で用いられたラテン語が分化、発達して生まれた諸言語の総称。インドヨーロッパ語族のイタリック語派に属する。文語のラテン語ではなく、日常の話し言葉である「俗ラテン語」がもととなり、先住民族(ケルト人など)の言語や、後から侵入した民族(ゲルマン人・スラブ人・アラブ人など)の言語の影響を受けながら、5~9世紀に地域ごとに異なる言語へと分化した。その後の発達をへて、現在も話されているロマンス諸語には、ポルトガル語、スペイン語、カタルーニャ語、オック語、レトロマン語、フランス語、サルデーニャ語、イタリア語、ルーマニア語などがある。このうちポルトガル語、スペイン語、フランス語は近代に、宗主国の言語としてアメリカ、アフリカ、アジアの植民地にも広がった。ラテン語と比べたロマンス諸語の特徴として、冠詞をもつこと、動詞の複雑な形態変化がより整理されたこと、名詞・形容詞の格変化がなくなり(ルーマニア語をのぞく)、語順や前置詞などが文法的機能をになう言語に移行したこと、などがあげられる。◇英語でRomance。 出典 講談社世界の主要言語がわかる事典について 情報 Sponserd by
世界大百科事典(旧版)内のロマンス諸語の言及 【ラテン民族】より …言語系統論的にみて,古代ローマ帝国内で話されたラテン語から派生したと想定される,イタリア語,フランス語,スペイン語,ポルトガル語,ルーマニア語などのいわゆるロマンス諸語(ロマンス語)を母語とする人々を,俗にラテン(系)民族と総称する。しかし,実際には,それらの人々は数多くの国民国家に分断されており,一つのラテン民族としての帰属意識があるわけではない。… ※「ロマンス諸語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。 出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」 Sponserd by