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冠詞 かんしarticle

翻訳|article

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

冠詞
かんし
article

多くの場合名詞の前におかれ,その名詞に軽い制限を加える単語。英語のa,an,theがこの一例。英語のa (母音で始る語の前では an) は不定冠詞と呼ばれ,初めて話題に上る事物を表わす普通名詞の単数形には通常これがつく。すでに話題に上っている事物を表わす名詞の前には theがつき,これは定冠詞と呼ばれる。しかし,詞の用法は,各言語で慣用的に決っている部分も多く,冠詞をもたない言語を話す者にとっては,外国語習得の難関の一つである。定冠詞,不定冠詞の別はドイツ語フランス語イタリア語スペイン語など冠詞をもつ多くの言語にあるが,古代ギリシア語にはほぼ定冠詞にあたる1種類しかなく,アイスランド語にも定冠詞しか発達していない。ドイツ語の冠詞は名詞の,格によって変化する。フランス語では性,数だけの変化であるが,この言語には複数の不定冠詞があり,また数では数えられない物を表わす名詞につく部分冠詞と呼ばれるものもある。また,スウェーデン語,アルバニア語,ブルガリア語ルーマニア語のように名詞に後置される定冠詞をもつ言語もある。多くの場合,定冠詞は指示代名詞が,不定冠詞は1を表わす数詞が,弱化したものである。

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百科事典マイペディアの解説

冠詞【かんし】

名詞の前,まれにあとにおかれて,定,不定の別を表す語。ドイツ語のように格変化をもつ場合には,性・数・格によって変化する。定冠詞,不定冠詞のほかフランス語のような部分冠詞もある。

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大辞林 第三版の解説

かんし【冠詞】

英語・ドイツ語・フランス語などで、名詞あるいは名詞的用法の語の前に添え、ある限定を加える語。定冠詞・不定冠詞・部分冠詞などがあり、言語によっては名詞の性・数・格によって語形を変える。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

冠詞
かんし

名詞および名詞として扱われる語と結び付いてその意味を限定し、名詞句を構成する短い語の類。冠詞を欠く言語は多く、その名詞句内の位置についても、名詞に前置される場合と後置される場合(ルーマニア語、ノルド諸語の定冠詞など)がある。冠詞は定冠詞と不定冠詞に下位区分されるが、両者の分布はかならずしも対称ではなく、英語でも不定冠詞は単数(可算)名詞の前にのみおこるが、定冠詞はこの限りでない。このため「ゼロ冠詞」を考える学者もいる。なお、フランス語の「部分冠詞」は部分格小辞と定冠詞の融合形にすぎない。また、定冠詞を有するが不定冠詞を欠く言語は、ヘブライ語など数多い。冠詞の基本的意味はしばしば定性(definiteness)の有(定)無(不定)として論じられ、英語の冠詞についての最近の研究の一つ(Hawkinsによる)は、定冠詞の働きを「話し手と聞き手の共有する種々の知識と発話の場面に規定された何組もの対象のうちの一組の中に名詞句の指し示すものを位置づけよと聞き手に指示する」としているが、まだ十分な解明は行われていない。冠詞の用法は言語によってもかならずしも一様でなく、たとえばブルトン語の(定)冠詞は名詞句の定性と直接には関係せず、名詞句の指示するものが総称的(generic)でなく特定的(specific)であるとき用いられることが報告されている。冠詞のない言語では、定・不定の対立が日本語のの使い分けのように他のさまざまな手段で示される。[川村三喜男]

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世界大百科事典内の冠詞の言及

【品詞】より


[代名詞]
 次に,話し手本人とか話し相手とか第三者を表すのに用いられる単語,あるいはそれらに加えて,その事物の本質を捨象して,話し手や話し相手との位置関係等にのみ依拠して事物を表すのに用いられる単語が一つの範疇を形成していることが確認されるならば,それらは〈代名詞〉と呼ばれることが多い。英語などにおいては,そういう内容を表す単語は,普通の名詞にはつくことのできる冠詞が決してつかないとかいった,表すものの特殊性では完全には説明しきれない機能上の特殊性があるので,少なくとも普通の名詞とは文法的に区別されている(ただし,名詞との機能上の共通性も顕著であるので,おそらく,別の品詞というより,同一の品詞の異なる下位範疇を形成している,とすべきであろう)が,日本語の場合,俗に代名詞と呼ばれるものは,表すものは他の名詞に比して特殊に思われても,その機能には特殊性は認められそうになく,仮にあってもそれは表すものの性格によると考えられるので,名詞に所属するだけで,その中の下位範疇を(すら)形成していないと思われる。
[動詞]
 ある品詞に属する単語の多数が運動・動作といったものを表す場合,その品詞は一般に〈動詞〉と呼ばれる。…

※「冠詞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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