ロムルスアウグストゥルス(その他表記)Romulus Augustulus

改訂新版 世界大百科事典 の解説

ロムルス・アウグストゥルス
Romulus Augustulus

ローマ帝国最後の西帝。在位475-476年。生没年不詳。ネポス帝に謀反した父オレステスにより475年10月末日ラベンナで西帝位に擁立されたが,東帝からは承認されなかった。即位後ロムルスアウグストゥスRomulus Augustusを名のったが,まだ幼少であったためアウグストゥスの指小形アウグストゥルスが俗称となった。476年オレステスを倒したオドアケルによって廃位(9月)されるが,その幼さゆえに助命され,カンパニア年金生活を送ることを許された。
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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ロムルス・アウグストゥルス
ろむるすあうぐすとぅるす
Romulus Augustulus
(461ころ―?)

最後の西ローマ皇帝(在位475~476)。西ローマ帝国の最高軍司令官であった父オレステスによるネポス帝追放後帝位につけられたが、東ローマ(ビザンティン)帝国からは承認されなかった。ロムルス・アウグストゥスRomulus Augustusが正式名であるが、年少のゆえにアウグストゥルス(少年皇帝の意)とよばれた。476年ゲルマン人傭兵(ようへい)隊長オドアケルの反乱によりオレステスは殺され、ロムルスは死を免れたが、即位後わずか10か月で退位させられ、年金を与えられてカンパニアに隠退した。これにより西ローマ帝国は滅亡したと一般にいわれているが、法的には480年ネポスの死まで帝国は存続したともいえる。

[島 創平]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 の解説

ロムルス・アウグストゥルス
Romulus Augustulus

生没年不詳(在位475~476)

西ローマ帝国最後の皇帝。傭兵隊長オレステスの子で,オレステスはネポス帝を追放して,未成年自分の子を帝位につけた。しかし翌年,傭兵隊長オドアケルの反乱が起こり廃位されて,西ローマ帝国は滅んだ。

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世界大百科事典(旧版)内のロムルスアウグストゥルスの言及

【ローマ】より

…次のアンテミウス(在位467‐472)は東帝から送り込まれた皇帝であるが,リキメルと対立して殺され,リキメルもその6週間後に死んだ。次の皇帝ネポス(在位474‐475)も東から送り込まれたが,彼も将軍オレステスに追い出され,オレステスは息子ロムルス・アウグストゥルスを帝位に就けた。しかし,同盟部族との交渉が決裂してスキラエ人将校オドアケルはオレステスを殺し,ロムルス・アウグストゥルスを廃位した(476)。…

※「ロムルスアウグストゥルス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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