ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オドアケル」の意味・わかりやすい解説
オドアケル
Odoacer
[没]493.3.15. ラベンナ
ローマ帝国の支配から脱して,最初にイタリアを実質的に支配したゲルマン民族 (蛮族) の王。ゲルマンの名門の出身。ラベンナで西ローマ皇帝の親衛隊員となり (470) ,ローマ将軍オレステスが息子ロムルス・アウグスツルスを帝位につけたのちの 476年,反乱を起し,傭兵の支持を受けてその隊長となり,オレステスを殺し,最後の西ローマ皇帝ロムルス・アウグスツルスを廃した。 476年東ローマ (ビザンチン) 皇帝ゼノからパトリキウスの称を受けた。ゼノのために,480~482年にダルマチア (現クロアチア) ,487~488年にはルジ (現オーストリア地方) などを制圧したが,イタリア統治に関してゼノと意見が対立し,ゼノの命を受けた東ゴートのテオドリック大王に敗れ (493) ,暗殺された。
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