ロンドンデリー包囲戦(読み)ロンドンデリーほういせん(その他表記)Siege of Londonderry

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロンドンデリー包囲戦」の意味・わかりやすい解説

ロンドンデリー包囲戦
ロンドンデリーほういせん
Siege of Londonderry

1689年4~7月,名誉革命後のアイルランドにおけるウィリアム3世軍とジェームズ2世軍との攻防戦。フランス援軍とともに,ティアコネル伯と合流したジェームズは,アルスター地方に進攻してロンドンデリーに迫った。当時同市にはアルスター地方のプロテスタントが避難して人口約3万人になり,守備隊長 R.ランディは投降を申入れたが,市民たちが決起して投降を拒否し,約 7000人の市民が武装して籠城。ジェームズのカトリック教徒軍は市を包囲した。6月なかばウィリアムは P.カークを救出指揮官として派遣したが,彼が慎重に準備しているうちにロンドンデリーでは食糧が底をついた。ついにカークも決意し,7月 30日軍艦『ダートマス』号と食糧輸送船を送り込み,防材を破砕して市に到着,105日間の籠城から解放した。その間に約 5000人が死亡。しかしジェームズ軍は同市を占領しえず,8月2日にはニュートンバトラーで敗北し,ウィリアム3世は危機を脱した。

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