改訂新版 世界大百科事典 の解説
ローヤル・シェークスピア劇団 (ローヤルシェークスピアげきだん)
Royal Shakespeare Company
イギリスの劇団。1960年,シェークスピアの生地ストラトフォードのシェークスピア記念劇場の責任者であったP.R.F.ホールの計画によって恒久的劇団が結成され,翌年ローヤル・シェークスピア劇団の名で活動を開始。ローヤル・シェークスピア劇場と改称された同劇場と,ロンドンに新たに獲得したオールドウィッチ劇場を本拠とする。68年,ホールに代わってナンTrevor Nunnが芸術監督となり,78年ハンズTerry Handsが共同責任者として加わった。82年,オールドウィッチに代わって新しいバービカン・センターBarbican Centre内の大小二つの劇場がロンドンの本拠となり,また,ストラトフォードでは現在もっている大小二つの劇場に加えて,第3の劇場の開場を計画している。シェークスピア劇の現代的解釈による上演やイギリスの新作,海外の話題作の上演で高い評価を得ているが,過度の政治性や芸術的前衛性をもつとして批判されることもある。これまでの代表的な演目は,P.ブルック演出によるシェークスピアの《リア王》《夏の夜の夢》,P.ワイスの《マラー/サド》,ホールとバートンJohn Bartonの共同演出による《ばら戦争》(シェークスピアの史劇4編を3編に再構成したもの),ホール演出によるH.ピンターの諸作品,ナンの演出によるシェークスピアの《冬物語》,ナンとケアードJohn Cairdの演出による《ニコラス・ニクルビー》など。
執筆者:喜志 哲雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報