ペルー北海岸チカマ河口の遺跡。紀元前2500年ごろから前500年ごろのもので、先土器時代から形成期中期の生活の跡をとどめる。1946年アメリカのジュニアス・バードが発掘したが、それ以後未調査である。しかし、先土器時代の初期農耕文化の最初の調査例として、考古学史上に残ることになった。石、日干しれんが、木、鯨骨を用いた半地下式の家屋、貝や植物の刺(とげ)でつくった釣り針、魚骨や貝殻などのほかに、数種の豆、ひょうたん、カボチャ、トウガラシ、アチラといういもの一種、そして綿が出土し、漁業と農業を営んでいたことが知られた。また、もじり編みの綿布や樹皮布もあり、綿布にはコンドルや双頭の神話的動物のデザインが表現されていた。
[大貫良夫]
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