わ印(読み)ワジルシ

精選版 日本国語大辞典 「わ印」の意味・読み・例文・類語

わ‐じるし【わ印】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「わ」は「わらいえ(笑絵)」「わらいぼん笑本)」などの最初の文字 ) 春画。また、春本。本屋・てきや・古物商などの間で用いる語。
    1. [初出の実例]「もしや和印の新板ではないか」(出典:歌舞伎・小袖曾我薊色縫(十六夜清心)(1859)五立返し)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のわ印の言及

【春画】より

…男女の秘戯を描いた絵。古くは〈おそくず(偃息図)の絵〉〈おこえ(痴絵,烏滸絵)〉といい,〈枕絵〉〈枕草紙〉〈勝絵(かちえ)〉〈会本(えほん)〉〈艶本(えんぽん)〉〈秘画〉〈秘戯画〉〈ワじるし(印)〉〈笑い絵〉などともいう。あからさまな秘戯の図ではなく,入浴の場面など女性の裸体を見せる好色的な絵は,別に〈あぶな絵〉と称して区別している。《古今著聞集》にも〈ふるき上手どもの書きて候おそくづの絵〉と記すように,落書のようなものではなしに専門の画家による春画の歴史はかなり古く,中世に入れば《小柴垣草紙(こしばがきぞうし)》(13世紀),《稚児草紙》(14世紀,鎌倉末期)など絵巻物の傑作を生んでいる。…

※「わ印」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android