アツモリソウ(敦盛草)(読み)アツモリソウ(英語表記)Cypripedium macranthum var. speciosum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アツモリソウ(敦盛草)
アツモリソウ
Cypripedium macranthum var. speciosum

ラン科の多年草。北海道南部から本州中部までの山の草地に生える。地下茎は短く横にはい,地上茎は直立し高さ約 40cm。葉は長楕円形,長さ8~20cm,幅5~8cmで基部は短い鞘となって茎を抱く。4~5月頃,茎頂に小型の包葉をつけ,その先に紅紫色から淡紅色の大きな花が1個うつむいて開く。花の直径は約 5cmもあり唇弁は袋状となっている。和名は花形を平敦盛が着用した母衣 (ほろ) に見立てることに由来し,近縁クマガイソウ (熊谷草) に対立させたものである。盗掘による絶滅が懸念され,1997年国内希少野生動植物種に指定された。本州中部の山岳地帯の森林下には近縁の別種キバナノアツモリソウ C. guttatumがある。6~7月に,淡黄色で茶褐色の斑点のある美しい花をつける。この種はアジア東部と北アメリカ西北の冷温帯にも分布する。

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世界大百科事典 第2版の解説

アツモリソウ【アツモリソウ(敦盛草) (large flowered) lady’s slipper】

大型の袋状の花が印象的な地生のラン科植物(イラスト)。亜高山帯草原または疎林中に生え,時に観賞用にする。根茎は短くはう。根は多数で,かたい。茎は高さ30~50cm,白色の毛がある。葉は3~5枚が互生し,楕円状披針形,長さ10~20cm,幅4~8cm,表面の縦じわが顕著である。葉状で小型。6~7月,3cmくらいの花梗の先に1花をつける。花は淡紅色または紅紫色,長さ4~6cm。上萼片は広卵形,側萼片は癒合しており先端が2裂する。

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