アトピー性体質(読み)アトピーせいたいしつ(その他表記)atopy

翻訳|atopy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アトピー性体質」の意味・わかりやすい解説

アトピー性体質
アトピーせいたいしつ
atopy

アトピーとはギリシア語に由来する「不思議な病気」という意味。一定の物質に対して先天的に過敏な,アレルギー体質をいう。遺伝的,家系的要因が強く,家族にアトピー性疾患 (気管支喘息〈ぜんそく〉,枯草熱,アレルギー性鼻炎など) 患者のいることが多い。アトピー性疾患のなかでも 1980年代後半から子供を中心にアトピー性皮膚炎が増加している。アトピー性皮膚炎は激しいかゆみを伴う湿疹ができるもので,なおりにくい。生後2~6ヵ月頃から発病しはじめ,幼児期になると喘息や鼻炎に進むこともある。原因は卵,牛乳大豆など食物が最も多いが,ほこり,ダニ衣類繊維などさまざまである。現在のところ特効薬はなく,決め手となる治療法もない。アトピー性疾患の子供が増加している背景としては,食生活の変化,自然環境の変化,住宅事情などが複雑にからみ合っているといわれる。

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