アフリカ考古学(読み)アフリカこうこがく(英語表記)African archaeology

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アフリカ考古学」の意味・わかりやすい解説

アフリカ考古学
アフリカこうこがく
African archaeology

アフリカ大陸の各地を対象とする考古学。アフリカ大陸という広大な地域を対照にしていることや研究の歴史が浅いこと,研究者が少ないことなどから,他地域に比べ研究の立ち遅れが目立っていた。しかし,1970年代以降,ナイル川流域をはじめとする砂漠地帯で遺跡の発掘・調査が活発化し,従来の定説を覆す新事実が相次いで明らかになった。さらに猿人や原人の化石人骨が多く発見されていること (→アウストラロピテクス類 ) や,礫器文化から握斧系文化へ順調に移行したことなどから,アフリカこそ人類発祥の地であるとする説が有力視されている。また農耕牧畜に関しても従来の西アジア発生・伝来説とは別に,ナイル川流域の砂漠地帯で独自にムギ類が栽培されウシが家畜化されていたことを裏づける発見がある。その起源は更新世にさかのぼる可能性が高いとされており,それに伴って土器も独自に出現したという見方が有力である。またアフリカの場合,年代を決める基準ともいうべき氷期と間氷期という対比が不可能で,雨期 (湿潤期) と乾期 (乾燥期) という対比によって編年がなされる。ただ,これには地域差があるなど不確定要素が多く,今後の研究成果が待たれている。なお,エジプトに関してはエジプト考古学参照

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android